大人のRIKA教室

H25年秋期 第3回(12月14日)「数の不思議」

講演会お知らせ
講師
竹中俊美
日時
12月14日(土) (14:00~15:30)
場所
中部大学5号館2階 521講義室
概要
昔、微分方程式のセミナーで、微分方程式の解法では解は一つしか存在しないが、数値解析のように、差を取るような解法では解の振る舞いは不明となるという報告があった。解析的に解いている研究者たちは、半信半疑な結論であった。この講演においては、具多例を取り上げて、論議を行いたい。

講演の内容

  1. マルサスの法則は
    dN/dt=aN
    で記述される。
  2. これを差分化 (*1) して、解くとコーシーの折れ線と言われるものが得られる。
  3. ロジスティックモデル (*2)
    xn+1–xn=a(1-xn)xn=axn-axnxn
    と呼ばれるものがある。ここで、Xn0<Xn<1 である
    これは, ある生物が一定の時間間隔で一斉に生殖し世代交代をするとして, 固体数の世代変化を考えたモデルである。元の微分方程式では、導けない不思議な解があることがわかった。
  4. 定数 a1 から 4 まで変化したときの様子を作図的に解説した。
    a3 以下ならば、下図によれば、どんな X から出発してもの大凡 0.6 に収束する。 a3 より少し大きいと、大凡、0.80.5 の何れかに収束する。a3.4 よりやや大きいと 4 つの値のどれかに収束する。もう少し大きいと、8 つの値のどれかに ……となり、さらに、a3.5699...を超えると,その数が無限個になり、どんな値に収束するか分からなくなる (下図の黒い部分)。これを、カオスという。
    chaos
  5. この現象を,流行の同値モデルといわれる問題に応用し,いくつかの簡単なモデルを紹介した。生物の個体数が、無秩序に増えたり減ったりする。 長期天気予報は当たらないことの証明、渦の発生等。

*1 微分とは、或る関数の、ここでは N(t)t1t2 間の平均傾きの極限で、Limt2→t1(N(t2)–N(t1))/(t2-t1) であるが、この極限を取らないで、有限の Δt=t2-t1 で近似する。つまり、マルサスの法則の式は N(t2)–N(t1)=ΔtaN(t1) とすることが出来る。N(t1) の値を知っていれば、N(t2) が分かる。N(t2) が得られれば、N(t2+Δt) が得られると言う風に、とびとびに値を求めることが出来る。これを差分法という。

*2 第 1 項はマルサスの法則と同じで、子供の数は親の数に比例することを表している。第 2 項は、余り個体数が増えると食料が無くなるとか、環境汚染が進むとかで個体数を減少させる効果がある。これを表したものである。非線形項と言われ、カオス現象の主原因である。

講演の様子

講演の様子
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後援:春日井市教育委員会