大人の RIKA 教室

H27 年春期 第 1 回 (4 月 21 日)「工場見学会〜モノ造りの地から世界中に温もりを届けたい〜」

講演会お知らせ
日時
4 月 21 日 (火) 13:00~16:00
場所
株式会社 トヨトミ本社工場

幸い快晴に恵まれ、トヨトミ本社3階会議室に総勢18名が訪問。

先ず、トヨトミ株式会社の会長からの挨拶に引き続き、会社の使命、社史についての説明、さらに、燃焼、暖房等の基本的な知識の供与。その後工場見学が行われた。詳細は、以下の写真の通り。

ここに、トヨトミ会長様、鈴木専務取締役、小出常務取締役、はじめ多くの方々にお世話になりました。深く感謝致します。

「大人のRIKA教室」世話役

見学会の様子

名古屋市瑞穂区にある株式会社トヨトミの工場見学会を行いました。

講演の様子
講演の様子 出迎えてくださった社員の方たち
講演の様子
講演の様子 中村出会長。
講演の様子 13:00から中村会長を始め、鈴木専務、小口開発担当常務より会社概要、「燃焼と石油暖房機器」に関する説明が行われました。

中村会長による会社の概要・歴史説明

講演の様子
講演の様子

トヨトミの社名は創業者が秀吉と同じ「中村区」出身でさらに誕生日まで同じという縁から。また、豊田に忠誠を尽くす臣下という意味も含まれている。

戦後の大不況のなか、復興日本社会の発展に貢献するためにモノ造りの仕事を起業。資源のない日本において、製品の輸出によって外貨を稼ぎ、エネルギーを輸入するという構図が構築されていった。1950年戦後布教の際、自動車部品製造の仕事がなく、倒産の危機を迎えたため、自社製品の開発・生産に着手することになる。

戦後、それまで家庭での炊事は薪を使った「かまど」や「七輪」であり、家事労働は重労働だった。灯油を使ったトヨコンロは当時家事労働の負担を減らす画期的な商品として人気を博した。またトヨコンロ改良から生まれた石油ストーブはトヨトミの中核製品となった。トヨトミにおける製品開発の方針は「発明・発見に務める」こと、「独創的である」こと、そして「多数の競争相手が存在する場合は、反対方向を指向する」こと。

トヨトミは「世界で初めて」の商品が数多く生み出している。

  • 1959年までは世界の石油ストーブはホーロー加工のみであった
  • 1960年 世界初の燃焼部分が見えるガラス燃焼筒ストーブ(米国パイレックスガラスを使用)を開発・販売
  • 1979年 2段階燃焼により臭いが少なく排ガスを100%なくしたダブルクリーンを開発
  • 1980年 世界で初めて対流型にガラスを採用した、燃焼筒が虹色に輝く石油ストーブ
  • 2003年 世界で初めて人感センサーを搭載した石油ファンヒータを製造
  • 2010年 世界で初めて電気セラミックヒータと石油ファンヒータの両方を制御するハイブリッドファンヒータを開発
  • 2012年 世界で初めて着火時の乾電池を不要にした石油ストーブを開発
    2011年3月11日の東日本大震災の被災地へ1200台の石油ストーブを寄付したところ、「灯油があっても、マッチや乾電池がないため使用できなかった」との声を受け、手回し発電器付の石油ストーブを開発した。点火のために連続放電が必要となる問題点をクリアした。「廃乾電池を出さない」という観点から環境にもよいと評価を受けた。
    講演の様子
    講演の様子

世界70億人のうち40億人は、ガス・電気を使えない環境に生活している。薪や石炭を使わないコンロを世界のBOP(低所得者層)とMOP(中間所得者層)に使用してもらえるよう事業を進めている。現在96ヵ国に製品を輸出している。輸出量の多い相手国は

  1. アメリカ
  2. EU諸国
  3. 中近東諸国

の順である。2014年までに6500万台を販売したが、うち2000万台は海外輸出である。

技術的な講話、石油ストーブの燃焼について

ガソリンと灯油の違い
炭素連鎖の長さの差
EUや米国と日本の安全管理に対する法規制の違い
例えば、灯油には赤色に着色するなど
石油ストーブと湿度
1リットルの灯油を燃やすと1リットルの水が発生する。そのため部屋の湿度が保たれるので、石油ストーブの温かさは違う(加湿しているため)。エアコン暖房に比べ、乾燥しにくい。現在のような高気密・高断熱の家屋ではポータブルストーブ、ファンヒータなどの室内開放式ストーブは換気も重要。1~2分換気しても部屋の温度はほとんど変わらないという実験データも出ている。
講演の様子

ポータブルストーブ(PS)の燃焼方式の種類

  • 単筒青炎形
  • 単筒白炎形
  • 複筒青炎形
  • 複筒白炎形

に分類される。

ファンヒータ(FH)の燃焼方式の種類

  • ポット式
  • 圧力噴霧式
  • 気化式(ブンゼン式)
  • 回転噴霧式

に分類される。

灯油、ガス、電気の比較

熱源熱変換効率長所短所
灯油100%出力が大きい
PS は電源不要
起ち上がりが遅い
給油の手間
臭いがある
電気100%
(発電効率は 40%)
即暖性出力が小さい
乾燥する
ガス100%即暖性場所が限定

電気ストーブの出力は最大1200W。部屋を暖める能力としては石油ストーブのほうが高い。灯油ストーブの欠点「即暖性に欠ける」部分を補った「ハイブリッドFH」の説明。

講演の様子

工場見学

工程は、

工程

から成り立っています。

①プレス工程

講演の様子
講演の様子 きびきびとした女性従業員の方の動きが印象的でした。
講演の様子
講演の様子

②塗装工程

講演の様子
講演の様子
講演の様子

粉体塗装を施し、焼成を施し定着させます。 色は茶色、黒などが主流です。

講演の様子
講演の様子 頭上をリフトで吊るされた塗装部品が移動しています。
講演の様子
講演の様子 茶色く塗装され焼成工程へ移動します。
講演の様子
講演の様子 (板金→塗装→組立の同期ライン)
リフトに吊るされた塗装待ちの部品(上部)と下部の油受け皿部品。カバー部の塗装後に次の板金工程(タンクの巻締)へと流れていきます。

③溶接工程

講演の様子 油受け皿の溶接、巻締工程。ストーブの安全性、品質管理で最も重要な部分です。
講演の様子
講演の様子 巻締製品の水没検査。油受け皿から漏れがないか一つ一つ確認していきます。

④組立工程

講演の様子 塗装・溶接・板金・水没検査を経た部品が、組み立てラインへ運ばれます。
講演の様子 人の手により丁寧に組み立てられていきます。
講演の様子
講演の様子 組み立てられた製品はスキーリフトに乗り、2階へと運ばれていきます。
講演の様子
講演の様子
講演の様子

⑤出荷

講演の様子 箱詰めされた製品が出荷を待ちます。

見学を終えて

講演の様子 サーモグラフィーによる温度変化を体感しました。
講演の様子

歴代の製品

昭和27年(1952年)に発売を開始したトヨコンロ トヨコンロの説明文 昭和27年(1952年)に発売を開始したトヨコンロ。左側のガラスタンクに灯油を入れて使用。戦後の不便な時代に、それまでの薪を使ったかまどや七輪に変わって、炊事に大きく役立ちました。
昭和34年(1959)に発売された自然対流型ストーブ 自然対流型ストーブの説明文 昭和34年(1959)に発売された自然対流型ストーブ。

株式会社 トヨトミサイドから頂いたコメント

  • 見学会場に当社を選んで頂いた事、有意義な時間を過ごせた事等 感謝いたしております。 末筆ですが、大人のRIKA教室のさらなるご発展をお祈りいたします。
  • 今日の見学会は皆さんしっかり聞かれていたし、質問内容も、量だけでなく、質も良い内容だったので、さすが『大人のRIKA教室』の方の見学だと思っておられると思います。

見学者サイドからの感想

  • 大変勉強になりました。途中で帰らなければならないのが残念でした。
  • 石油ストーブは既に技術的確立された製品と思っていましたが、環境と省エネといった大きなテーマが残っていると実感できました。
  • 会長の会社の概要・成り立ちとよどみなく話される様子は こよなく会社を愛され育て上げられた自負と愛情が感じられました。
    今までの生活中で必ずどこかでお世話になったストーブの会社が名古屋の身近な場所で 作られていることに驚きました。また、会社の商品作りのコンセプトが今またクローズアップされている丁寧で精密なもの作り日本の良さを反映して継承されていることに感謝を感じます。どんなものでも工場を見学させて頂くと大事に使わなくてはいけない感謝の気持ちになります。
  • 楽しませていただきました。
    かなり専門的なお話もありましたが、「ものづくり」に対する熱意が伝わる講義でした。自社製品に対する誇りがとても感じられ、実際に工場を見学した時にみなさんが迅速に、そして丁寧に作業されているのを見て、その誇りが毎日の作業から生まれてくるということを実感しました。限られたスペースを立体的に有効利用され、各所に作業率アップのための工夫がされていることに驚きました。
  • 工場見学大変勉強になりました。
    拡大でなく経営の質の向上を感じました。何か名古屋商法を感じました、ブラザーも同じようでしたが、ストーブという商品で今も活躍されていることが勉強になりました。
  • 先日は,トヨトミ工場見学にて,大変お世話になり有難うございました。
    会社の方々から真心を込めて熱心にご案内いただき,
    「家族的な経営で,心がホッとするような会社」という印象を受けました。
    有難うございました。
    毎回,知的好奇心を刺激する企画で,参加を楽しみしております。
  • 見学の工場はストーブのオフシーズンでもあり、閑散としていましたが、平らな鉄板が数百トンのプレス機に掛かると、一瞬にして複雑な立体物になるのを生で見ましたが不思議な気がしました。
    筐体の塗装は乾燥に時間がかかるものと思っていましたが、粉体塗装という方式で流れ作業の中で行われ、余分な粉体塗料は回収してリサイクルするというやりかたにはアッパレです。
  • 先日のトヨトミの工場見学はお世話になりました。
    大人になっての工場見学は初めてだったので新鮮な気持ちで楽しめました。
    業種は違いますが、他社の状況を知ることができて楽しかったです。また、お忙しい中、トヨトミの人達は、会長含め幹部の方々に予定時間をオーバーしてまで対応して頂き感謝を申し上げたいです。


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