大人の RIKA 教室

平成 27 年秋期 第 1 回 (10 月 17 日)「大阪大学レーザーエネルギー学研究センター見学」

日時
平成 27 年 10 月 17 日 (土)14:00~16:00
場所
大阪大学レーザーエネルギー学研究センター
案内人
副所長 白神宏之教授

講義概要説明

核融合の説明

ビデオにて核融合、レーザー発生等の解説をしていただきました。
講演の様子

核融合 (重水素+3 重水素→中性子+アルファ粒子 (He の原子核)) を起こす。

この時ローソンの条件 (一億℃、密度、長時間) を満たす必要がある。

講演の様子

磁場とレーザー核融合

左:他の方式 (磁場による閉じ込め)

右:レーザー核融合の方式 (レーザーによる閉じ込め)

講演の様子

講師の白神先生と聴講生の皆さん

講演概要解説

講演の様子

レーザー核融合では、燃料ペレットに多数の強力レーザーを照射して、表面に発生するプラズマの圧力で超高密度に圧縮 (爆縮)、中心にできる高温プラズマで核融合反応を点火、燃焼させる。

大阪大学では燃料を加熱するために、地球に降り注ぐ太陽光に相当するパワーを一瞬の間だけボールペンの先ほどのターゲット (フォームシェルターゲット) に集中して照射し、燃料を加熱する。これを高速点火方式という。圧縮された瞬間の燃料圧力は地上大気圧の数十1000億倍、太陽中心部の太陽地球中心部の10倍の圧力と同じになる。

海外からの希望者もこの装置を利用して共同利用研究を行っている。

1963 年大阪大学の山中研究室で圧縮の研究が開始された。

1972 年自己点火 (中心点火) ジーゼルエンジン方式を J. Nuckools 氏が提案させた。

1983 年山中龍彦先生が高速点火、追加熱 (ガソリンエンジン方式) を提案させた。

1986 年大阪大学で 1 億℃を達成、世界記録となり、密度を 600~1000 倍にすることを可能にしたが、

これらを同時に達成することは難しい。

我々の概念設計は、500 KJ で高速点火できる反応炉である。液体リチウム (燃料) を炉内で増殖させる。

1 秒間に 10 回核融合を実行することが可能である。

講演の様子
講演の様子
講演の様子 燃料ターゲットにレーザー照射を行う

レーザーの数が 12 本では足りない。アメリカの NIF は 100 本以上で出力は 2M ジュールであるがこの方式 (間接照射) は効率がよくない。

レーザー核融合では、レーザーを沢山並べる (モジュール化) ことにより効率化を図ることが出来た。

正十二面体を採用することで対称性がよくなる。

LFEX レーザー装置の見学

講演の様子
講演の様子
講演の様子
講演の様子
講演の様子 展示通路からレーザー室を見学します
講演の様子 レーザー光はホコリに大変弱いため、実験室内はエアーをクリーンに保つ必要がある。このパイプは空気の通り道
講演の様子 常に空気が上から下へ流れることによって室内をクリーンに保っている
講演の様子 正十二面体の炉、この中にフォームターゲットがある
講演の様子
LFEX のパルス圧縮器・集光装置の構成

展示室

激光 (げっこう)XII 号 日本最大のレーザーシステム (パネル説明)

核融合とは (パネル説明)

見の回りにある「物」は全て「原子」によりできています。

原子は「核」と「電子」から成り立っており、原子の性質は核の性質で決定されます。核をむりやりくっつけることで融合させて、別の原子核に変化させることができます。この融合を「核融合」と呼んでいます。

水素という原子の核が融合するときには莫大なエネルギーを放出します。

太陽もこの水素の核融合でエネルギーを生み出しています。

講演の様子
講演の様子
レーザーとは (パネル説明)

レーザーの語源は「放射の誘導放出による光の増幅」です。

放射の過程には、自然放出と誘導放出という 2 つの過程があり、自然放出では、高いエネルギーレベルにある原子が自発的により低いエネルギーレベルに移行し、そのとき光を放出します。

誘導放出では、高いエネルギーレベルにある原子に光子が入射することで、その光子に誘われ、引きずられるかのようにして光を放出します。

このとき、周波数、位相、偏光が全く同じ光子が放出されます。

そのため誘導放出を利用するレーザー光は単色性、指向性がより強力な光となります。

レーザー装置 (パネル説明)

レーザー光は、レーザーガラスと呼ばれる特殊なガラスに、蛍光灯が沢山ならんだようなフラッシュランプでエネルギーを与えることによって作り出されます。

激光 XII 号 (パネル説明)

激光 XII 号は核融合を目指して作られたレーザー装置です。

その名前は 12 本のビームを用いることから名づけられました。

この複雑で大型のシステムはたくさんの運転スタッフによって日々支えられています。

写真を見れば、いかにこの装置群が大きいか分かると思います。

講演の様子 展示室にて
講演の様子 レーザーガラスの展示
講演の様子 GEKKO-IV の展示
講演の様子 GEKKO-IV の展示
講演の様子 レーザー室の模型
講演の様子 レーザーの波長変換実験
講演の様子
講演の様子 レーザー光を照射すると緑色に変色します
講演の様子 巨大な結晶 (緑色に光っている)
講演の様子
講演の様子 レーザー波長生成器に用いる KDP 結晶
講演の様子 ターゲットを顕微鏡で拡大したものと実物を展示
講演の様子
講演の様子 ターゲットは肉眼では見えないほどの小ささです
講演の様子
未来のレーザー核融合発電 (パネル説明)

未来のレーザー核融合炉では、1 秒間に数個の速さで炉内にペレットを打ち込んでレーザー光照射を繰り返します。炉内では、その照射のたびに核融合反応が起こり、そこで生じる熱エネルギーを取り出して発電機のタービンを回転させることで、電力が得られます。その電力の一部は、レーザー装置などの運転のため循環されます。

ここで用いられる燃料は、地球上の主に海水中に無尽蔵に存在する水素の仲間である上、

いったん発電に成功すると自己の運転用のエネルギーもまかなえるため、化石燃料に頼らない究極のエネルギー源を手にすることが出来ると考えられます。

講演の様子
講演の様子
講演の様子

過去に研究施設を訪問された方たち

講演の様子
平成 24 年 6 月 平野文科大臣 来訪記念
講演の様子 平成 23 年 10 月 アメリカエネルギー省 Dr. S. Koonin 氏 来訪記念
講演の様子 昭和 62 年 9 月 ソ連科学アカデミー会員 N. G. Basov 教授 (ノーベル物理学賞受賞) 来訪記念
講演の様子 昭和 58 年 7 月 ジミー・カーター 元アメリカ大統領 来訪記念
講演の様子
講演の様子

昭和 56 年 3 月 福田赳夫首相 来訪記念

『資源有限 人智無限』と記されている

参加者からの質問

Q
維持費はどのくらいかかるのでしょうか?
安全性、地震などの対策は?
エネルギー回収率はどのくらいですか?
A
投入エネルギーの 100 倍位のエネルギーがないと炉として成り立たない
Q
炉が大きくなると軸がぶれたりしないのですか?
温度コントロールが必要?
A
機械的振動は小さく抑えることが可能です。
Q
いつ頃実現可能でしょうか
A

いつも「あと 30 年」と言われてきましたが実際は 2050 年頃には実現できるのではないかと考えています。

欧州のイータの点火は 2030 年と言われていますが NIF の点火はもうすぐです。

アメリカはイータから手を引いています。油と水の境界面のレーリー不安定性さえ克服できれば安定した供給が可能です。



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後援:春日井市教育委員会