大人の RIKA 教室

平成 29 年春期 1 回 4 月 15 日 (土)「KT 相転移とハルデーン転移の復習」

日時
平成 29 年 4 月 15 日 (土) 14:00~16:00
場所
中部大学 611 室
講演者
中部大学応用生物学部環境生物学科
大塚 健三教授

講演要旨

相転移とは

  • 氷→水→水蒸気 (岩石でも同じ)
  • 磁石 (釘がくっつく)→ただの鉄 (釘はつかない)
    (スピン (スピンについては後述) が揃う。 (磁石)、スピンが隣と反対になる (反強磁性))…

が身近な例であるが、周囲には多くあり、生活に欠かせないものでもある。

ここで、"→" は"温度を上げる"ことを意味する。温度の上昇以外に、磁場や電場などの変化、薬品を加える、指で触れることにより生じる場合もある。

KT 相転移発見以前は 2 次元の以下の量子的体系では相転移は生じないと思われていた。 (一例として、矢印で表される磁石の原因 (その本質はスピンと呼ばれている) がすべて同じ向きになる-強磁性状態。古典系では 2 次元で厳密解があり相転移を示す (イジングモデル 著者の学位論文の材料))

これに反し、KT は磁石の起源となる矢印が+1 の渦、-1 の渦が対を形成して、安定に存在することを示した。

この渦状態は、数学でのトポロジーで出てくる穴の開いた物体のイメージと対応しているので KT 相転移はトポロジー転移とも言われる。

物のいろいろの性質 (伝導性、誘電性、色、硬さ、光沢、固体か液体かなどなど (物性という)) は主として電子の影響による。従って、どうしても電子の振る舞いを説明するための道具、量子力学を理解する必要があるが、最低限、以下の事を記憶しておいてほしい。

これは、中学の数学で初めて習い、その本質が何であるかを理解せずに、ただ 2 乗すれば-1 となることを利用して計算をやってきた虚数と同じように、先ず以下の事を記憶して頂きたい。

ニュートン力学と量子力学との差異
 ニュートン力学量子力学
適用範囲太陽系惑星、石やボール等電子、陽子、中性子など
性質粒子的粒子瀬尾・波動性を兼備
運動直線運動が中心波動運動が中心
エネルギー連続的とびとび

電子に磁場をかけるとエネルギーが上昇するが、電子のエネルギーとしてはとびとびで、ばね状の螺旋運動をする。 1 格子点でスピンの大きさが 1 の時 (電子が 2 つ存在する)、且つ、隣の格子点とのつながりが反強磁性的で強ければ、少々の外部磁場では磁気的な構造がつぶれないで、相当強くなった時初めて反応する。ここで、エネルギのーのとびが生じる。これは、一格子点でのスピンの大きさが整数の時に限られる。これをハルデーン転移t ピう。これは当時の物理学者にもすぐは受け入れられず、ハルデーンの予想と呼ばれ実験家もあまり注目しなかった。が、しかし……

スピンンぽ興差は 1/2

電子が発見された当時、電子に磁場をかけると元のエネルギーから上下 2 つのエネルギーに分かれることが実験で得られていた。一方、古典力学でも得られていることであるが、角運動量 (回転運動にかかわる) の大きさが ℓ のとき、磁場中でそのエネルギーは 2ℓ+1

こに分かれることが分かっていた。これを =2 とおくと、 ℓ=1/2 となり、電子のスピンの大きさは 1/2 と定められた。しかし、後程、スピンは角運動量とは別物であることが分かった。

講義の感想を読ませて頂き、講義で何らかのことを感じた方が 1/4~1/3 程度であった。専門用語は出来る限り避けたが、どうしても使ってしまったが、質問があり、多少は減らすことができたかと思う。量子力学はこれからの物理関連の講義では必須なので、チャンスがあれば、会場の係に質問をして下さい。



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講演の様子
後援:春日井市教育委員会